光車よ、まわれ! 天沢退二郎 1973年4月27日初版 1983年12月15日新装版第1刷

友人から「光車を探す、なんか不思議な話」と勧められた少年少女の冒険ファンタジー。日本を舞台に小学生の行動範囲で世界の危機を救う。と、言ってしまうと今の時代それなんてラノベとか言われそうだ。まあこの時代で言えばジュブナイルってやつにあてはまるのか。とにかく小学6年生の地味な名前の主人公一郎が同じクラスのちょっと不思議な女の子と光車を探す冒険に出る。古文書、魔法の文字、船、秘密の道、不思議な力、仲間、新しく出会うヒロイン、ピンチなどなど、少年ごころをくすぐる様々な要素にあふれてます。作者初の長編小説らしいので、作者の少年趣味志向がガンガンにでてる感じ。挿絵は暗めの色調で、重さがまた物語の雰囲気にぴったりくる。説明臭い台詞がないのが少年っぽさ、そして一郎のみたまんま一人称で語られる地の文がをうまく冒険感を引き出している。