パンドラの匣

太宰治においてはありえないほどの明るい短編が2作入ってるやつ。そんでなんと、そのうちのパンドラの箱って短編は入院してそこでのすったもんだの青春小説って感じだもんで、こりゃあ入院する僕にぴったしやんけー。で、持ってって読んだ。
入院中に友達に書いた手紙という形式での文章がいかにも青春さ。そこに仕掛けられたうまいことのギミックも気持ちよく、ひさしぶりに読んでもまたまた楽しい。実は一番好きな太宰の作品だし。
気持ちよく読んでると、その中になかなか印象に残るところがあった。

僕はあんまり音楽が好きではないけれども、でも一週間に一度くらい聞くのは、悪くないものだ

こんなことあんまり今の人で言える人いないよなぁ。時代を感じるね。いまや音楽聴かない人なんていませんよってな世の中。ちょっと昔になっちゃえば、音楽は趣味の中でもまだまだ一般的ではなかったのかも、とか思った。
しかし、最後の展開は忘れてて、すごく楽しかった。病院に持っていっても、DSでゲームばかりしていてぜんぜん読んでいなく、退院する日に読むことになったのだけれど、本当にすがすがしく、気分よく退院することができた。