ループって怖いよね

もうパートに行った筈の母が部屋にいる.なにやら作業をしている.しかし,絶対に姿を見せない.普段,音楽など聞かないはずなのに,BGMとして日本語のオペラ風またはクラシック風音楽を流しだした.聞きようによっては美しい歌声なのだろうが,そのときは悪魔的な感じがした.
「これは...悪夢くさいな」と考えて体を動かしにかかる.動かない.寝床から見えるところがだんだんと凄みをおびてくる.壁が赤い布で装飾される.壁の影が濃くなっていく.緑と赤の目を持つタランチュラくらいの大きさの謎の機械がどんどん部屋の壁に増えていく.音楽は金切り声を上げ始めた.
このままではまずいと思い金縛りを解きにかかる.手をグーパーしたり,拍手をしたり,だんだんと動かせる部分が増えていく.増えていくとともに,謎の機械も数が減っていく.立ち上がったときには完全にもとの部屋に戻っていた.よし!と思ったが,どこか現実感がない.「あ,もしかしてこれ?ループ入った?」
と思ったときはすでに術中で,視界が2重にぶれたりしてきた.ぶれる先はもちろん寝床からの映像.そっちいくなそっちいくなとなんとか立ち上がっている視界を保持しようとするも,さすがに2重になった視界を一つに固定する方法なんて知らないので無駄なあがき.結局,気がつくと呪われた状態の寝床に戻っていた.
何度かループした後,なんとか部屋は抜け出せた.しかし,なぜか水浸しの教室にいる.雨水で水浸しの教室だという認識が生まれる.机を並べて迷路状の通路が作られていて,その通路に腰くらいまで水がはられている.机の上もすべからく水びたし.