有名無名

なぜマイナーだった好きなものが有名になることをみんな嫌うのかが分かった。これは「みんなが知らないこんなにいいものを私は知っている!!」というケチな所有欲でなくて「好きなものが多くの人に消費されると質が落ちる」ということによるのだと思う。多くの人の目にさらされるとそれについてどうしても批評される場面が増える。それはどうしても作者の目や耳に入ってしまうのだ。それによるフィードバックは絶対に避けられない。すると良くも悪くもそれに対応した作品が生まれてしまうってわけだ。なんか少なからず違った今までと様相を帯びてくることになる。それが昔からのファンには耐えがたいのだ。すごい強固な意志を持っているのならば避けられるのかもしれないが、人間ならどうしたって避けられない人の目。この攻撃を食らうと人は絶対に動かざるをえない。それが社会生活ってやつの基本だから。他の人の意見を聞き、ちゃんと反映する。人の話は聞きなさいって口が酸っぱくなるほど言われたもんね。となると、目を耳を・・・すべての感覚器官を閉じて作品世界に没頭することがいまアーティストに求められているのかもしれないが、それは黄色い救急車がやってくるのと紙一重だ。難しい。インターネット時代には難しい話だ。(インターネット時代って何だ!?)

僕一人が秘密にしてもしょうがないけど、一番好きなアーティストは隠してます。なるべく広まらないように。なんとか固定ファンがいるぽいので、僕が死ぬまではいそうだし、僕が死ぬまでに相手が死ぬから安心。みんな秘密をもっと持つといい。