ふたふたつ

人間は蓋を落としたときに最も無防備になる生き物である。
蓋を落としたとき、すなわち蓋を開けた瞬間くらいには、開けた手の逆にビンやらチューブやらなにやらとにかくこぼしたくないしかしこぼれてしまう物が入っている容器があり、それを地面と水平くらいで支えなくてはいけなく、さらに視線は落ちていく蓋をなす術もなく見つめるばかり。これを無防備といわずしてなんといおうか。僕のボキャブラリーは完敗だ。無防備に決定した。
歯磨きのチューブの蓋が落ち、気が付く。これは絶対の真理なのじゃないのかと思う。