空中戦

体を鍛えるために、公園をあほみたいに何周も何周も走り回っていると、カラスがけっこういることに気が付く。そりゃ都会のまん真ん中。カラスくらい一杯いるのは不思議な光景じゃない。けど、今はたしか子育ての時期だから、こんな何回も同じところを通る僕みたいなやつは、子供を狙っている!!と考えられて襲われても仕方ないはずなのに、襲われないってことは不思議だ。僕が黒いジャージおよびウィンドブレーカーをきて、減量中のボクサーみたくかっこつけてるから、あきれておそわない・・・?いや、黒いから襲われないのかな?と思ったりした。
今まで、襲われたことは何回かある。通学路の途中の電柱かなんかにカラスが愛の巣を御作りになさって、そこの下を僕がバカ面下げて眠たい〜とか思ってると、シャーという擬音と共に鍵爪のアップコマ。そして、魔鈴姉さんよろしくイーグルトゥーフラッシュをぶち込まれるってのが通例だ。このときに思うことはやっぱり空中戦の不利。空中からの攻撃ってのはこんなにも有利なのか!ってことを思い知らされる。
まず、何が有利かって言うと、死角から攻めれるってところ。普通にしていたら上なんて見えない。モロに死角だ。そりゃ、首を曲げて見上げれば見えますが、それは三半規管との相談をしていない人の考え、目が前に向いている、すなわち頭が地面と平行になっている場合を常として三半規管は僕らのバランスを保っているはず。それを首を上に曲げた状態で戦おうものなら、バランスを崩されること必死。例えば右から攻められていたとしたら、すぐに体を右に向きなおすでしょ?そこを無理して右に首を曲げながら戦ったら、すごい戦いにくい。それと同じ状態をなんなく作れるってのが、空中から攻めるってことなのです。
そして、安全地帯であるということももちろん利点です。はっきりいって攻撃が届かないところから、自分の好きなときに攻撃できるっていうスナイパー的な利点が空中にはあるのです。常に相手の位置を確認しつつ、自分の身の危険はないこの利点は筆舌に尽くせないところがあります。
さらに、これが一番の利点なのですが、重力を利用できるってところがすごいのです。自然界に存在する4つの力、弱い力、強い力、電磁力、重力のうちのひとつを思う存分使えるところに、空中戦の利点は存在するのです。攻撃においては、その重力加速度を余すところ使い威力を倍化し、防御においては敵の攻撃を重力加速度で半減する。この利点はいかんともしがたいところで、ここにこそに空中戦の利点が存在します。人間において、りんごが落ちることを見てやっとのことで発見し、そしてそれを全然利用できていないこの重力を、カラスはなんなく使いこなし、その身のくちばしや爪における力を倍化してくるのです。
空中戦は不利なので、まっさきに逃げるといいと思います。森に逃げるといいという考えもありますが、それは飛行機対人間の場合だけの話。森なんて、カラスにとってはホーム、僕らにとってはアウェイ。僕らが木の根に足を取られているころ、カラスは木の間を縫って飛んできて、漆黒の矢となって襲ってくるでしょう。
では、カラスには勝てないのか?もうどうしようもないのか?と考えるのは早計です。みんなのあこがれ早慶です。僕は落ちました。自然はカラスのフィールドです。そこで、人間のフィールドを考える必要があります。人間がもっとも人間らしくある場所。そう!!インターネットです!!インターネットは人間が作り出した、人間のための空間。この空間において人間に勝る生物はいないと自信を持って言えます。ここに誘い込めば、もうそこは2進数が支配する世界。カラスなんて足が3つに分かれているもんだから、せいぜい3進数の概念くらしかわからなく、2進数は分かりはしないでしょう。情報を送ることができず、まったく相手にならないと考えられます。しかし、カラスがこのフィールドに入ってくることがないのが、困り者。ともすれば、電柱などにハンガーとかで巣を作って、電気をショートさせたりしてくるってことは、僕らはもうカラスになす術が無いってことかもしれないですね・・・200X年地球はカラスに支配された・・・