いろいろなパクリ

ある施設。僕はそこの住人だった。出られないような閉鎖的な施設でそこで数百、いや数千にもの子供らが生活している。そこの中だけでしか生きてこなかったわけだ。そんな中、月に1回くらい地下の怪しいフロアに連れて行かれるやつが選び出される。誰もその正体は知らず、しかもそこに連れて行かれたやつは2度と戻ってこないので、殺されているんだ、何らかの実験に使われているんだ、と黒い噂だけが飛び交っていた。
そして、僕が選ばれた。1,2,3階とBしかないエレベーターに1人で乗せられ、しかたなくBを押す。行くしかないのだ。すごいはやさで下降していく。一瞬無重力になるくらいのはやさだ。ジェットコースター並。
下に着いた。扉が開くとそこからは長い一本道の通路になっていて暗い。エレベーターの出口の脇には1人の見るからに強そうな筋肉質の、スーツの胸板がむっちむちな男が待っていて、僕を通路の置くへと促してくる。僕の高校の先輩だった。「なんかいつもよりかっこいいすね。」とおだてると(ほんとうにそう思った)「そうか。」と大して心動かされた様子もない。
その長い通路を奥へ奥へと歩いていくと、だんだん出口が見えてきた。光の点がだんだん近づいてくるっていう、あのベタな演出だった。やっとのことでたどり着いて、周りを見渡してみるとそこは不思議のダンジョンだった。
四角い小部屋とその小部屋をつなぐ通路だけで構成されたマップ。つなぐ通路を覗き込んでみると奥のほうでモンスターと闘っている人がいる。ちょっとネットゲームみたいな感じる。勝手に僕とは無関係に戦って、勝ったり死んだりしている。そうか、帰ってこなかった理由はこれか。組織的に殺されてはいなかったが、やっぱり殺されていたんだ、と思って、そしてこれはどういったことなのかと連れてきた男に話を聞こうとしたところ、だれもいない。というかここに来るために通ってきた通路が消えている。壁。ただの壁になってしまっている。うぉい!と思い、壁にダッシュで駆け寄り、叩いたりする。が、ただの壁、洞窟然としたごつごつした壁だ。もう、どうしようもないらしい。モンスターが近づいてくる。
いちおう不思議のダンジョンなのでターン制なのだけれど、なにもしていないとおかまいなしで近づいてくる。ある一定時間は待ってくれるけど、それを超えるともう敵のターンらしい。どんどん近づいてくる。オークだ。汚く太った姿は見るに耐えない。顔なんか汁っぽいし。黒いムチを持って、ピタピタさせている。やばい。と、思っているうちに攻撃されていた。1マス離れていても攻撃できるらしく、ピシピシピシピシムチでしばいてくる。実は施設では戦闘の訓練とかもあったりで、こんなオーク程度なら倒せるのだが、はじめて見るモンスターなので足がまったくうごかない。体がこわばって、ただ、ムチをうたれつづけた。そこまで強くなくともずっと打たれ続ければやばくなる。ああ、もうやばい・・と思ったところに横の通路からすごい火炎が出てオークを襲った。
ジャイアンだ。
ものっそいいい顔した、ジャイアン火炎放射器で僕を助けてくれた。駆け寄る僕。「ありがとう!」「いいって。それより・・・がんばれよ。実力はあるんだから。あんなやつにやられてるなよ。」なんか励まされる。