ライブ

なにかのライブを見ていた。ライブ会場はクラシックコンサートが行われるような屋内のステージ。ワンマンではないタイプでいろいろなバンドが出ていた。最初は客席で見ていたが、バンドの入れ替わりタイミングでステージに昇り、裏方のふりをしてステージの脇から見ていた。何個かバンドを見たがその中ではgaiaというバンドが一番良かった。ビビアンスーみたいな女ボーカルの歌が伸びやかだった。
なんとなしにそのまま見ていると、大学時代の友達がベースとして出てきた。出てきたというかステージ脇から見ていて、ベースは僕のいる方に位置していたので、あきらかに目の前。目の前でベースをやたら低い位置にかまえて引いていた。ベースやっていたなんて話は聞いてなかったがうまかった。音出しと格好でバリバリの重ためロックと分かり、しかもなかなかよさげだったが、どうやらベースアンプの調子が悪いらしく、思ったような音が出ない様子。PAに向かって文句を言っていたがPAはだまって首を横に振るばかり。しょうがないのでそのまま始めることになったが、1曲目が始まってすぐにベースの音が出なくなった。少し演奏は続いたがそれまでで、バンドリーダーが皆に合図を送り演奏はストップ。結局今回は中止にすることにしたらしい。ベースの友人がもっとやれるベースなくても俺らなら!みたいなことを言っていたが、リーダーが「お前のベースがなきゃだめだ。ギターも。。。いないし。」といっていた。2人の表情が曇る。察するにギターのやつはなんか事故にあって、死んだか少なくとも病院にいるっぽい。バンドは速やかにはけた。こんなに客が入っているのにいきなり中止にしていいのか疑問に思った。
なんとなしにそのまま見ていると、バンドの入れ替わりの間隙を衝いて、大学時代の後輩が勝手にステージのドラムを叩いていた。ギターやってたのにドラムたたくんか、てかへたくそだ、と思いつつも知り合いがいることにうれしくなり会いにいくことにした。ちょっと叩いてすぐ逃げたけど、逃げた先が僕とは逆のステージ脇だったので、どうやら彼も裏方のふりをしてステージ脇から見ているようだ。両ステージ脇をつなぐ通路を使い逆サイドにいくことにした。
逆サイドに向かうためには、両ステージをつなぐために設けられたステージの上を通る通路を使うことになる。通路への入り口となるドアをあけようとしたが開かない。ものすごい高いところになにか仕掛けがあり、それにある程度強い力を込めないと開かないようだ。僕のジャンプ力ではぎりぎり届くレベルで、そこからある程度強い力を込めるのは無理だった。思いっきり助走をつけてジャンプしたりしてもうまくいかず立ち往生していると、背後から裏方なのかバンドメンバーなのか分からないが早くしろよ的な人が2人くらいいた。どうぞどうぞと道をゆずると、その人はなんなくドアを開けてしまった。業界人は違うな、と思い僕も進んでいくと、ドアの向こうには壁があった。業界人はなぜだかその壁を昇って先に進んでいってしまった。よく見ると階段のようだ。一段が1.5メーターくらいあり、一段が2センチくらいしかなく、高さは5メーターくらい。こんなん上れる訳ないよと思ったが、業界人の真似をして大股で階段に足をかけたらなぜか昇れた。なんでもあきらめずにやってみるものだなと思った。
通路を通りステージの逆サイドにいくと、案の上大学時代の後輩とおぼしきひとがいた。帽子を深くかぶって椅子に座っていたため本当に彼かどうか分からず、一回は前を通り過ぎてみた。すると、奥にも見覚えのある人影がある。これも大学時代の後輩のようで、声をかけてみることにした。「あなたは誰ですか?」「僕は○○ですよ」という謎のやり取りがなされやっと確認がとれた。さっきドラム叩いていたやつもこっちに来て一緒に話すことに。どうやらバンドとして今日のライブに出るようだった。