焦り

知り合いが死んだ.


って言っても小説の中の人だけど.今読んでる120巻くらいある小説の始めのほうから出てる人で,死ぬぞ死ぬぞと作者がずっと言ってたから死ぬのは分かってたんだけど,でも,それにしても,こう,本当に死なれてしまうと,なんつーか,すごい喪失感.俺の中でも本当に死んだって感じ.もうあいつの動く姿・喋る姿が見られないのか...っていう気持ち.小さいころは,好きな漫画・小説でお気に入りのキャラが死ぬたびに,こんな気持ちを味わってたような気がするけど,ひさしぶりにこの気持ち味わった.


現実の人物に対してこのような気持ちを持ったことがない気がするのがちょと問題.今読んでる小説で,80巻もかけて親しんでる人が死んじゃったってことは,現実に置き換えるとものすごい近しい人が亡くなったりって状況だろうから,この気持ちを現実の人に味わったことがないのは幸せなんかもしんないけど,文庫本80巻くらいの説明を受けなきゃ,文字による説明がなきゃ,他人を自分のうちに取り込んで,自分のこととして悲しむことができないよってはなしだとすると,人間として俺はどうかという問題になってくるような気がした.まあ,はっきりいって作者があとがきで書いてたけど,どっかの遠い現実の知人よりも,いま読んでる小説の登場人物のほうがよっぽど親しみがあったりするのはしょうがないよね.だって,その人の生活とか変遷とかをじかに追体験するようなもんだもんね.しかも,それが80巻もかけてなされるとかされた日にゃあ,なんかすげえもんがあるのはしょうがないでしょうさ.


逆にこんなような気持ちを持ちたくがないゆえに,なんか防衛線を引いているのかもしんない.