トラップ

僕の乗っていた地下鉄の車両が,なにかの事故で切り離されてどっかに行ってしまった.ようやく止まったと思ったら,見たこともないようなおどろおどろしい場所だった.鍾乳洞っぽい感じの,壁が常にぬるぬる光ってる感じの,人工的に作られたとは思えないトンネルだった.
元気なものは助けを求めに車両の外に出て先に進むことにした.トンネルは横道だらけだった.横道があるたびに人数を分けくまなく捜索していく.僕の進んでいる道はだんだんと普通のトンネルに近づいてきた.まさにトンネルという半円形の形を取り戻しているし,壁はコンクリートで固められている.いつの間にか電気もうっすらついていた.
急なカーブを抜けた後あたりから,ふいにジッという音とともに一瞬だけトンネルが明るくなることが増えた.電気の調子が悪いのだろうと最初は考えた.しかし,何かがおかしい.どうも電気のないところから光と音が聞こえるし,光間隔も不規則だ.気をつけてみてみると,矢が壁に当たり,その際に火花を生じているようだった.「みんな壁に貼り付け!!遠くから矢,撃たれているぞ!!」叫ぶ僕.みな急いで壁に張り付く.僕はちょうどあった小部屋みたいなところに飛び込んで逃れる.こちらが気がついたからか,矢の飛んでくる量が若干増えた.矢なんてはじめて見たけれどとてもじゃないが避けれるスピードじゃないな,と思った.
動けずにいると,入り口にガシャーンと上から重い鉄の扉が落ちてきて小部屋に閉じ込められた.罠だ!!と気がついたときにはもう遅く,小部屋の天井がゆっくりと落ちてきた.うわっまじか罠かこのゲームの主催者ならしかけそうだなしかしこんな古典的な罠にしかも罠のなかでも一番当たりたくないやつに・・・こんなんで死ぬのか・・・すげーいたそう・・・と絶望したら,落ちてくるのが止まった.立て付けが悪くて止まってしまったらしい.さらに,壁をさぐったら扉が開くスイッチがあった.これってもしかして絶望してなければ抜け出すことも出来たってことだよなと思おうと人間諦めてはいけないものだと考えさせられた.