多重

なにか新進気鋭の韓国のアニメ屋が昔の文学作品をアニメ化したということで、それが日本に流れてきたので見た。「ある精神異常者の夢」(作・昔の海外の偉い哲学者)とかなんとかいう作品の映像化だった。そして、だんだんと見てる側から、主人公に意識が入り込んでいった。主人公が(僕が)実は意識しないながらも、すごい悪事を犯していてそれで恨みをたくさんの人からかっていて、それで殺されてしまうという話。あまり細かいところは覚えていない。
なにかのビルで人と喋っていた。病院だったかもしれない。いや、病院も入っている高層ビルだったような気がする。するといつのまにかみんなから追われる羽目になった。ブラックジャックを悪役化したような黒いマントをきた暗殺外科医(なんだそれ)とかいて、僕を殺しに来ていた。「突発性の〜〜になったんだってな!とことんついてない男だ!!」(傷がつくと血が止まらない病気)とか言ってた。こいつとは昔から何回も戦っていたらしい。ビルの廊下をはさみうちされて、窓から逃げる。窓枠を伝ったりして逃げるんだけど、そこから見る景色が上も下も一面の空という意空間になってて他に何も見えない。見えるのは掴まっているビルの壁だけで、「あ、これ、もう死ぬしかないんだな」と思った。
結局捕まってしまったらしく、処刑された。そのビルの地下1、2階が血だらけになるほど残酷な殺し方だった。なぜ知っているかというと、そこを自分で歩いたからだ。死んだことは分かっているのに、歩いてる。これが幽霊ってやつか?と思った。地下2階から登っていくと地面に血やら肉片やらが飛び散っていた。むせるような濃い血の臭い。すごかったらしくそこらへんにいた兵士の話を聞いてみると「もう想像もできないようなひどい殺し方だったらしいよ」とのことだった。(話はできる)階段も地下一階も血が飛び散っていた。そこにいた兵士など飛び散った肉片がよろいにこびりついたものを自慢げに見せてきた。「ちょっ・・!やめてよ・・・まじきもい・・・」自分のながらも嫌がってしまった。
1階に出るとちらほら記者の姿が見え始める。「まさか地下2階でやるとは思ってなかったんだろうな。」なかなかの有名人だったらしい。TV中継とかやろうとマスコミは思ってたらしいけど、女王の判断でわからないように、しかし残酷に、処刑したらしい。(女王がいる国。いつのまにかビルも城になってた。)

場面は変わり学校へ行くことに。どうやらさっきの話は夢だったぽい。途中、さっきの殺人外科医や180%自分の出したい目をサイコロで出す殺し屋(ダイスを3つ転がして、それによって自分の力が変わる殺し屋。なんだそれ)とかと会ったので、一緒に学校に行く。みんな友達なのだ。夢に友達が出てくることあるもんなーと思いながら歩いていると、途中でさらに友達に会った。一番仲のよいやつで、さわやかなヒーロータイプのやつだ。一緒に学校へ行く。途中、その友達以外のやつが「あ、俺、自転車あっちにおいてあるんだ。ちょっととってくるわ。」とかなんとかでいなくなり、そのさわやかなやつとだけになった。歩きながら話した。

「俺、昨日変な夢見たよ。漫画見てたらその中に入り込んじゃって死ぬやつ」
「まじかー…」(すごいやさしい表情で)
「ん?なに?何かあんの?言えよ。もうさー分かる気がするんだよ。何言われても気にしないしさ」
「うん…それ、夢じゃないのよ。ほんとなんだよ。」
「あーやっぱーなんかおかしい気がしてたんだよねーみんなちょっと僕をみる視線が違ったし、景色もなんか違和感あったもん」(明るく)
「うん。」
「うん。そうだよね。夢にしてはおかしいし、今の今までつながってた気もするからねー。あーそうかー。」
「あのさ、世界はさ何重もの層になってるって話知ってる?」
「あー層ね。なんかで聞いたことある気がする。」
「うん。だから今の世界の上にも下にも層があって、死ぬってことは
顔が泣き崩れてうまく喋れなくなった。
「分かるよ。次の層への新しいステップとしてかんがえられるんだよな。だから、気にすることなんて
つられて僕も泣き出した。2人とも歩けなくなってしまい、学校の前で2人して泣いた。バッグも落としてしまう。それほどの脱力感がだった。泣きまくった。
「ごめんな…なん、なんにも力になれなくて…なにもできなかった…」
「いや…ぜんぜんいいんだよ…僕の方こそ、カセ、ット返して、なくて…ごめん…」
もう感情が変な感じになってしまい、なんか変なことをいってしまったりした。このままいなくなるのだろうから、返せなくてごめんってことを言いたかったらしい。
「いやもーぜんぜんいいよ…まじごめんな…ほんとに、まじで」
いいやつだよなと思った。


入り込むほうの漫画も最後の友達とのやりとりのほうも一度はみた夢。というか、夢のなかで別々にそれぞれ読んだことがある漫画だと思う。だからストーリーは知っていて、そのストーリーどおりになることがやたら悲しかった。しかも自分が演じてるので、「ストーリーは変えられないんだ。運命なんだ。」というところが相当にきた。友達もこの漫画を両方知っていたからこそ、あれだけ泣いたってわけだ。特にあの最後の登校の場面の「世界は何重にも層になって…」のくだりは、友達といっしょに「なに気取ったこと言ってるんだよなー。かっこつけちゃって。」と馬鹿にしていたことがあったぽい(実はあやふや)なので、それでそこで2人とも泣き出してしまったわけだ。自分らも結局これ言ってるじゃんみたいな泣き笑い。
朝起きたら泣いてた夢に見事ランクイン。