traintrain

なんとか痙攣がおさまった僕は、ふと右下に目をやった。僕はドアの前に立ち、脇の手すりに傘をかけていた。よって右下には座席があり、疲れた人々が疲れを癒しながら(社会人は座ることで体力を回復するものである、とものの本で読んだことがある)帰路に着いているはずだった。しかし・・・
そこにはおもいっきりノートパソコンを出して、USBからちょっと小型のコントローラーをつなぎ美少女格ゲーをする、いわゆるかっこいい部類のオタクさんが鎮座なさっていた。ありがたやーありがたやー。
えらく激しい勢いで空中コンボを決めている。ということは、なし崩し的に手の動きも複雑妙味であるわけで、各種ボタンの上を右手親指が飛び交い、十字キーの上を左手親指が飛び交い、それはそれはありがたいものであった・・・



電車でなにをすれば一番いいのかということを考えたのだけど、これは正解なんてものはあまりなくて、実際なんでもできてしまう。鉄道会社から禁止されていることと法律で禁止されていないことなら、なんでも出来るってのはそれはあたりまえの話だ。けれど、だれも自分勝手に好き勝手を始めないということは、ある暗黙のルールがあるってことで、それはあえて言うならば「周りの人に迷惑にならない・不快にさせない」ということだろう。
ってことで、彼自身は楽しんでいるけれど、はっきり言ってうざいってことで
電車の中で美少女格ゲーはダメ!絶対ダメ!!


もしかしたら距離の問題なのかもしれない。
こんなに近くにいるのに、電話で大声で喋られる、ゲームに没頭される、音楽を耳から漏れ出すほどの音量で聞かれるってのは、あれ?今、自分は無視されているのじゃないか?という感覚を人に生まれさせて、人の自尊心をなんたらかたら〜
ま、これだとなんで本を読むことは許されるのかが謎のままだけど。