官能

恐る恐る手を伸ばし、握る。
「あっ・・・すごい・・・ぬるぬるしてる」
美咲は思わずそう漏らした。初めて見るものだし、そうなるともちろん初めて触るものなのでどんなものか想像が付かなかったのだ。初めて見るその棒状の、固く、てらてらと光るモノ。嫌々ながらもそれに触らなくてはいけない、この状況。そして、勇気を出し触ったものの、およそ経験したことのないその感触。すべての要因が美咲を困惑させていた。
(わたしったら・・・お風呂でこんなことしてる・・・へんなの・・・)
状況を掴みきれていないのだ。それでもしかし、棒状のものは掴んで離さない。そして、意を決した美咲は固くなった棒状のものを激しく左右に動かし、そのぬめりの原因である白い粘性のある液体をたどたどしい手つきでしごきとった。このような動作に慣れていないようだ。およそその動作は効率的でない。
「これで・・・いいのよね・・・これで・・・こうするしかないのよ・・・」
恥ずかしげに手に取った液をしげしげと見つめてから、美咲はおもむろに頭になすりつけ両手でわしゃわしゃとこすり始めた。
泡が頭を包み込み、フローラルな香りが浴室を漂い始めた。
「うん!シャンプーが出てこなくなっちゃっても、蓋を開ければ案外ノズルに残ってるものね♪でも、ノズルがあんなになってるなんてびっくりしちゃった◎お風呂であんなことしたの初めてだわ☆ふふふ♪」



美咲=僕。今日の僕の生活の一コマを美しいイメージにより伝えようと努力しました。女主人公の名前を決めるのは案外難しく、適当につけると友達の名前になっちゃって気まずいです。なんとなく伊藤美咲さんが浮かんできたので友情出演してもらいました。
官能小説はむじいです。