カルピスはうまい。これはもう文句は言わせない。
カルピスってまずいよねー、みたいな会話を聞いたことがない。
カレーのごとき市民権を得ていると言えるだろう。
なんでこんなにおいしいか。なんでここまで広まったか。
その秘密は開発者の欲望によって成り立っているからなのだ・・・

カルピスの語源は僧侶にしか考え付かないとか*1そんなことはどうでもいい。この開発者、三島雲海(実に僧侶らしい名前)はただの変態なのである。ただ毎日妄想していただけなのである。毎日毎日飯を食うときも、瞑想しているときも、寝るときも、掃除をしているときも、なんやら経文を唱えているときもずっと、ずーーっとだ。ただただ、より多くの人が白くとろりとした液体を口に運ぶ。ちょっと口の端からたれたりしたら、なおのこといい。そのことだけを思い描いて生きてきたのだ。それだけを妄想し続け、どうしたら実現するのかを捜し求めた。
「とりえあえずおいしいのは第一条件だ。うまくなけりゃ誰も飲まない。お。キャッチコピー考え付いた。「初恋の味」いいわー。まさに初恋の味だよなぁ?ははっ。たまんねー。俺って天才?天才?あ、そのためにはまず会社を作らなきゃ。う〜ん。けっこう大変だ。僧侶やってる場合じゃねぇな。還俗しなきゃ。あーめんどくせ。けどがんばろう。夢を実現するためだから・・・!」
なのである。
ただのおいしいジュースと思ったら大間違い。人間の欲望は果てしないのだ。