霊障

友達とある場所に行くために、そいつの昔通っていた小学校を通り抜けてショートカットして行く事になった。学校を通り抜けようと入っていくと、そこはなにかの検査をする施設になっているらしく、そこで僕らはなんかのビデオを見せられることになった。僕らのほかに女が2人いっしょ見るらしい。部屋の大きさは6〜7畳くらい。小学校の施設を流用しているので、たぶんなにかの準備室だろうなという予測ができる。そんな部屋だった。
ビデオを見た。なんのこともないビデオだった。特になにという訳でもないので、みんなで普通に見る。けれど、さすがにちょっとみんな飽きてきて、意図はなんだとか、疲れたねとか、ぽつりぽつり世間話をしだしたところで、女の一人「知ってる?ここって霊が出るらしいんだよ?」と言った。それに答えて僕が


「まあ大丈夫っしょ。そんなもん。嘘よ!嘘!」


と言うやいなや、学校中の電気が一瞬消え、すぐ点く。そして、腹部に激痛。「ぐああああ」と耐えながら回りを見ると、みんなもものすごい顔をしてうめいている。明らかにさっきまでとは空気が変わっていて重たくプレッシャーを感じる。なにか危険なものが近くにいるという感覚。自分警報がびんびん鳴っている。電気は点いたが学校中が薄暗く、もやのかかった様によどんでいる。ビデオの映像もプッ、ザー、ザー、と停電の折になったのをきっかけに違うビデオに切り替わっている。僕らの今いるような部屋を斜め上から撮ったような絵。防犯カメラのような角度だ。4人いてなにかの映像を見ている。部屋のドアが開き、だれかが入ってきてひとりに近づき、足の小指を噛み千切った。そのときだけは防犯カメラの映像じゃなくなり、たっぷりとその場面を見させられた。なぜか抵抗をあまりしなく、不気味だった。
少しすると、部屋の外からぎゃああぁぁぁという叫び声がした。他の部屋でこのビデオを見ているやつがいたことに、そして確実にやばいことが起こっていることにびびり、さらに空気が重く張り詰める。だんだんと恐怖の元が近づいてくるのが分かるのだ。ドアが開く。なぜか大学の後輩が入ってきた。いたって普通に見えるが、今はそれが逆に普通でないことの証拠だ。絶対にやばいのだけど、なぜか動けない。そして嫌なことに僕の目の前に来た。手で抵抗しようと思ったのだが、手をつかまれそしてそのままやさしくひざの上に乗せて「とまれ」と言われたら、まったく手が動かなくなった。神経がまるで通ってないような感じ。するすると右手を伸ばしてくるので、うごけうごけうごけとがんばったら何とか動き、その手をつかんだ。た、瞬間、左手で眼を突いてきた。なんの躊躇もなく眼をつき、さらに眼底までつきさすぜという力強さ。これもなんとかつかんでかわした。



というところで眼が覚める。腹痛が少し残ってる。
腹痛が起きたからこういう展開になったのか、腹痛は夢から起きたのかどっちだろう?前者なら、ストーリー展開から考えるに、夢は未来を先読みしていることになっちゃうから、やっぱ後者かな?けど、夢で腹痛起きられちゃ、死ぬ夢をみるのが怖くなる。
まーとにかく、怖い夢だった。起きたとき部屋にかかっている服とかが怖くなるくらい。なんでもかんでも怖いものに見える、あの小学生の感覚。ひさしぶりだ。