オートメーション

町を歩いていると、杖を持った若い人が両側を支えられながらこっちに近づいて来る。そして大声でなにかを喚いている。これはアレかなあれな人かな、まあ近づかないでおこうと思っているとどんどんこっちに近づいて来る。
「なんでやねん!!」
なんか突っ込まれた。支えている人が弁解をする。
「すいませんすいません。この人に悪気はないんです。脳に障害があって勝手に突っ込んじゃうんです。なに言われても自動的に、反射的にツッコミが出ちゃうんですよ。許してやってください。」
そういうことなら仕方ないと思い、その場を離れた。
そして、ぷらぷらと町を歩いていると友達が数人集まって紙に何かを書き付けていた。
「あいつはダメだったな。」
「ああ。あいつは勝手にやってるだけだ。オリジナリティがない。あの反射速度には特筆するものがあるけど、いかんせん使いづらいしな。」
さっきのやつのことを言っているらしい。
「なにやってんの?」
気になったので聞いてみる。
「おお。さっき絡まれただろ、あの人は俺らが呼んだんだ。この町の面白い人をリストアップしようと思ってさ。色々人づてでおもしろい噂のあるひとを集めてるんだ。」
紙には数十人の名前と出身中学がリストにされていた。なかなかおもしろいことをしていると思った。