トラトラトラ!

うちの団地に虎が出た。
自分の家は団地の11階なので下を見ながら廊下を歩くことがある。すると、2頭の虎が殺しあってる。動きめっちゃはやいし、力強い。うぉーなんで虎が!!と思う間もなくある可能性に気が付き、左右に鋭く目を走らせる。案の定虎がのっそのっそとこちらに歩いてきていて目が合ってしまう。動きが止まる虎。やべえ!!と思い、家にダッシュする。同時に虎もダッシュして殺りにきているが、ある程度距離があるので、なんとか家にたどりついた。ドアを開け、滑り込み、鍵をかけ、チェーンをかける。チェーンを使うなんてまじひさしぶり、と思うがドガン!という虎の体当たりでそんなどうでもいい考えは吹き飛ぶ。
家族に伝える。「虎!!虎だよ!!団地に虎がいる!!」あまり信じない。かぎ閉めたから大丈夫でしょと言われ、それもそうだなーと安心し猫をなでる。つい最近飼い始めた猫だ。グレイのボディでかわゆい。なでくりまわす。ある考え。もしかして、こいつが虎の赤ちゃんで・・・?それを取り返しに・・・?ありえなくはない。こいつの種類とかあんまり知らないし。というか親父がいない。親父は信じていなくて外に出ているようだ。(よくわからないけどしばらく時間が経ち)どうやら親父は虎安全派になったらしく、うちに虎を入れようとしている。虎安全派は多数いて、どうやら結託しているらしい。その虎安全派が廊下に卒業式とかでよく作る、人が作るアーチなんかを作るようにして、僕の家までの通路を作りやがった。そしてその通路を虎が通りうちの家へご到着。すごい力でドアを破りにくる。なぜかドアが透明のけっこう伸縮性のある物質にかわっていて、虎がすごいめりこんでくる。それを押し戻す僕。すげえ怖い。膜一枚はさんで直で触ってる。外から親父が「そんなにライバル視するからよけいに来るんだよ」ライバル視ってなんだ。けど怖がるからよけいに襲って来るってのも聞いたことあるよなー、と思い決心しドアから離れ様子をうかがう。普通にドアぶっ壊されて虎が入ってきた。
姉ちゃん母ちゃんはもうあきらめたらしく、あんまり逃げない。たしかに襲われてないけど、いつやられるかわからない。「こ、こ、こ、これ大丈夫なんだろうね・・」「わ、わか、わからないよ・・・」虎を刺激しないように小声で言ってる。僕はというと男のクセに!!と自分で思いながらもマジ逃げを採用し、ベランダからとなりの部屋に飛び移った。なぜか飛び移る、となりの部屋との間には手ごろな手をかけるところがサボテンしかなく、思いっきりサボテンをつかむ。すげえ痛いけど死ぬよりはましだ!と思いなんとか飛び移り成功。隣の部屋へ。手は血だらけ穴だらけ。
隣の部屋は外人老夫婦が寝ていた。おもいっきり和室なのに、布団なのに、畳なのに、外人さんが寝ていた。さすがにガタゴトしちゃったから目をさまされた。「しぃーしぃー。騒がないで、落ち着いて聞いてください。虎です。虎が出たんです。騒ぐとこっちまでやってきます。どうか静かにしていてください。本当です。ありえない?確かにありえない。けど本当なんです。信じてください。寝ていたから気が付かなかっただけです」なんとか説得に成功。隣にこんな外人夫婦が住んでるなんて知らなかった。どうやらとなりから悲鳴も聞こえてはこないし、なんとかなったのかな?


犬年で虎。わけ分からん。