海老蜘蛛

海老と蜘蛛を食わされた。
海老も蜘蛛も茹で上げられ、海老は真っ赤に、蜘蛛は真っ黒にほかほかだ。さすがに脳にセーブがかかったのか蜘蛛はまんまな蜘蛛の姿ではなく、なんか海老の黒い版でシャコを海老にちょっと近づけたみたいな姿をしてた。(大将!ガレージひとつ!)海老の味は海老で、蜘蛛の味は覚えていない。が、丸ごとたべていて、いやになるほど蜘蛛のほうは殻が硬かったのを覚えている。硬いがもろくぱりぱりなのだけど、量がはんぱではなく、口の中がじゃりじゃりしてすごいまずかった。思い出した。案外、蜘蛛のほうもうまみがあって、それが逆に嫌だった。味わっていいのか。倫理的に味わいたくないんだけど・・・と言ったゆれる思い心に抱えてた。
たまにほんとの蜘蛛もさりげなくイメージされた。ほんとは蜘蛛なんだから蜘蛛の形してなきゃダメだろっていう、自分の偽りを正そうとしている僕の脳みそは正しさでいっぱいだった。